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2023/02/03 21:01

おはようございます。

こんにちは。

こんばんは。


キングダムの最新刊がすでに発売されている事を昨日知りました。


さて。

今日は【手】と言うテーマでお話させてください。



LeatherSmith(革職人)である僕は「1番の道具は何か?」と問われれば答えは1つです。それは『手』でございます。

別にLeatherSmithであろうがなかろうがそりゃそーだろ!と言われればそれまでですが

とにかく毎日これでもかと言うぐらい『手』を使うのでもちろん怪我をしないように心掛けています。

皆さん「職人の手ってどんなイメージ?」と聞かれればどのような手をご想像されますか?おそらく大多数の方が『ごつごつしていて分厚い手』や『タコが出来ている手』などをご想像されるかと思います。実は僕の手も『手縫い』によって人差し指が変形していたりします。

少し話はそれますが、社会人になり僕が『働く』と言う事を覚えてまもない頃、当時は工場で働いていたんですが、その頃の上司に言われて妙に今でも頭の中に残っている言葉があります。

ちなみに僕が働いていた所は簡単に言うと、アルミを溶かしてガンダムのようなマシーンから製品を造る所です。

「あ〜ぁ、また作業着穴空いた〜。しかもグリース(潤滑油)とオイルでドロドロや〜。」

上司「どないしたん?」

「いや、マシンからアルミが飛んできて服に穴が空いたんですよ。今月で2回目ですよ。」

上司「分かるわ〜。よくある事や。」

「しかもズボンもドロドロなっちゃいました。」

上司「まぁ働き始めはしゃーないわ。でもな、【仕事が出来る人間とか本当の職人さんは服を汚さへん】ねんぞ!」

「へぇ〜!何か良いッスね!それ!」

上司「あの2人見てみ!」

上司が指差した先には2人の社員がいました。

………。うわっ!ホンマやっ!」

上司○○君の作業着めっちゃ綺麗やろ?でも⬜︎⬜︎君の作業着めっちゃ汚いやん。」

「ちなみにお前も知ってる2人や。どっちが仕事が出来るかは分かるやろ?」

「はい。確かに……。」

と、こんな会話がありましてね。まるでドラマのような綺麗な例えなんですが、妙に腑に落ちた僕はその日から【仕事が出来る人間や本当の職人は服を汚さない】と言う1つの哲学的な物が頭にインプットされたんです。単にこの言葉だけを間に受けるのでは無くて、この言葉には色々な意味が含まれているなぁと思います。そしてそんな事を上司に言われたもんですから、それから○○さんと⬜︎⬜︎さんに今まで以上に興味津々で話しかけた事を今でも覚えています。

○○さん!昼飯一緒に良いですか?」

⬜︎⬜︎さん!一緒にタバコ吸いましょっ!」

とかね。そんな感じでしばらくお2人の事を観察しまくりました。そしたらやっぱり違うんですね。

○○さんは周りに気も利くし、仕事も一生懸命です。なので作業着も汚れるんですが、すぐに汚れを拭き取っていたり、手もこまめに洗っていました。ストックの作業着を5枚も持っていると聞きました。

かたや⬜︎⬜︎さんはちょっとでもスキが出来たら周りの目を盗んで休憩したり、作業着に付いた汚れも気にせずベンチに座ったり。汚れた手で顔を拭ったりしていました。

このような違いを性格の違いと良く言いますが、ホントにそうでしょうか。ちなみに僕が退職する頃には○○さんは1つランクが上がっていました。⬜︎⬜︎さんはそのまま。

それからの僕は必然と○○さんの事を真似するようになりました。今でもその時の学びは実際に活きていて、僕は1番の仕事道具である『手』は綺麗に保つようにしています。もちろん汚れる事は仕方のない事ですが、こまめに手を洗う事や、「この場所にこれを置いて置くと汚れてしまう」と言う事は未然にイメージしたりしています。もちろん職人さんの手も千差万別。その人その人の『手』があるので、どんな手が凄い!とか、職人の手はこうである!とかの答えなんて無いと思います。ごつごつした手であろうが、タコだらけの手であろうがみんな素晴らしい職人さんです。決して否定している訳じゃないですよ!

※そして、僕の手は綺麗だ!とも別に思っていません。

単純に僕はこの考えで1つ成長させてもらったと勝手に思ってるのでこれからもこの学びを大切にしていこうと思います。

アトリエからは以上です。

じゃーね。